ホテルニューカマクラ
(旧山縣ホテル)


JR鎌倉駅の裏手にあるこのホテルはJRの車窓からも見ることが出来ます。
鎌倉の近代建築を訪ねる第一歩と言う感じでしょうか?
現在は素泊まりホテルとして、また敷地内は数少ない駅前パーキングとして休みの日はにぎわっています。
意外と知られていない建築物ですが、その歴史は古くかつては、京都の料亭「平野屋」の支店でした。

その後、大正に入り鎌倉初のホテルとして創業し、現在まで続く老舗だったりします。
しかし昭和の一時には産婦人科として使用された経緯もあり波乱万丈といえる生涯を おくっている建築です。
ただし、建物はそれほど大きく変わることなく生き抜き、まさに「無事此れ名馬」といったところでしょうか・・

建物は改修がありますが上げ下げ窓、階段周りなどわりと良く原形をとどめている部分も多く楽しめます。

素泊まりというだけあって、安価で宿泊できます。私も今度泊まってみようとひそかに計画しています。
見学したある日、ここから若者が楽しそうに街にくり出していました。
時代が変わってもその役割を立派にこなしているのは、愛すべき存在といえます。

ここは当時文壇の花形だった芥川龍之介が大正12年、避暑中に、
岡本太郎の母、岡本かの子と出会った場所でもあります。
かの子は昭和11年、芥川龍之介をモデルにした「鶴は病みき」を
「文学界」に掲載し、文壇への足がかりを得るのでした。(加藤)

Data
所在地:鎌倉市御成町13-2
構造:木造モルタル
設計:
施工者:
建築年代:大正中期
備考:




注、ホテルなので中の見学は出来ません。お願いしてロビーを見せていただきました。




(C) 近代建築アーカイブクラブ All Rights Reserved.