三浦市役所本館
(旧三崎町役場)

魚は鮮度が命。明治期から活発化したというマグロ漁のネックとなったのは、その輸送手段。
今のような冷凍技術が無かった当時、船で東京へ運んでいては鮮度が落ちる。
そこで、外洋から一番近い港へ運んで、あとは陸送に頼らざるを得なかったわけですが、
その最適地とされたのが、三浦市の三崎漁港。
ほぼ独占的に水揚げを行って、莫大な利益を地域にもたらしたのです。

そして、当時の繁栄振りを今に伝える記念碑的建築物がこの庁舎。
一地方の町役場として、昭和のはじめにR.C.3階建てとは異例のことと思います。
連続する縦長の窓、タイル貼りの壁面。
アールデコ調の凝った意匠の玄関周りが印象的でした。(仁木)

※この建物は、耐震性の問題から近日中に解体となる予定です。

Data
所在地:三浦市城山町1-1
構造:R.C.3階
設計:
施工:
建築年代:昭和9年

 



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