山手111番館
(旧ラフィン邸)

港の見える丘公園に隣接して、いつも観光客でにぎわっている洋館です。
設計者J.H.モーガンの、質実剛健な一連のコンクリート建築とは一転し、
夏の日差しが似合う、陽気なスパニッシュ・スタイルの住宅です。
印象的な3連アーチがついたポーチの上部はパーゴラ状になっていて、
「なんのためのポーチか」と思われるかもしれませんが、
この建物の最高のアクセントになっていますし、1階居間のプライバシーをやんわりと保護して
かつ光の進入を妨げないつくりになっています。
(夏にはツタ類をからませれば適度に太陽光を遮断してくれます。)

さて、中へ入ってみてちょっと驚きました。
外観の軽やかさとは反比例して、またもや質実剛健な
重厚で落ち着いた空間が広がっているからです。
「やはりモーガンはこうでなければ・・・」と、
妙に納得してしまいましたが。(笑)(仁木)


Data
所在地:横浜市中区山手町111
構造:木造2階 地下1階
設計:J.H.モーガン
施工者:
建築年代:大正15年
備考:横浜市指定文化財




居間の上部は吹き抜けになっていて、
バルコニーが設けられている。   



(C) 近代建築アーカイブクラブ All Rights Reserved.