クライスト・チャーチ
(横浜山手聖公会)

1863年、居留地(山下町)の105番地に
急勾配の切妻型屋根にアーチ窓の建物が建ったのが初代のクライスト・チャーチ。
後に現在の場所に移転して、尖塔を持った煉瓦造のゴシック様式の教会がコンドルの設計によって建てられました。
ところがこれも震災で倒壊したため、アメリカ人建築家 J.H.モーガンの手により現在の建物が建てられたのです。

しかし、その後、クライスト・チャーチは再び災難に遭うこととなります。
第二次世界大戦も終わりに近い、昭和20年5月29日。
横浜大空襲で米軍の焼夷弾攻撃に遭い、内部を焼失してしまいます。
ただ、この時も戦後の混乱期にありながら、
わずか2年ほどで建物は完全に修復され、元の姿を取り戻しています。
信者にとって、いかにこの集いの場が大切なものであったか、うかがい知ることができます。

大谷石の石貼りの効果で、表面のざらついたテクスチュアが、建物に独特な味を醸していますが、
モーガンは、大正14年に建てられた東北学院大学本館(仙台市)ですでにこの手法を実践しており、
大正15年築の関東学院本館も同様、その城塞風の外観も、その頃すでに確立されていたものです。(仁木)

※平成16年1月4日、放火火災により建物内部を焼失するという事件が発生しました。
関係者の皆様の心痛を察するとともに、1日も早く集いの場を取り戻せますことをお祈りいたします。
Data
所在地:横浜市中区山手町234
構造:R.C.造2階 地下1階
設計:J.H.モーガン
施工者:
建築年代:昭和6年
 






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