フェリス女学院中高等部1号館

正門にそびえ立つ巨大なヒマラヤ杉(?)のせいで、
いつ来ても、鬱蒼とした森のような印象の場所にこの校舎は建っています。
しかし、この森の中にいるようなイメージと、
校門から校舎の全面にまで貼り巡らされた鉄平石のナチュラルな風合いが、
実にマッチしていているのが面白いところです。

さて、この建物の施工者である宮内建築事務所社長、宮内初太郎は、
同校の所在地と同じ横浜の出身者で、県内外に数多くの建物の施工をおこないました。
特に、ここ横浜には素晴らしい業績を残しており、
この校舎をはじめとするR.C.造から、横浜共立学園のような大型木造建造物、
さらには山手に点在する数々の洋風個人住宅まで幅広く手がけており、
この地域での信頼度は絶大なものであったと推測されます。
また施工のみならず、横浜市の認定歴史的建造物となった
山手72-5番館などの個人住宅の設計も手がけており、
神奈川県の建築史に深くその名前を刻んでいます。(仁木)

※平成12年9月解体終了確認しました。
新築の建物にイメージ保存されています。

Data
所在地:横浜市中区山手町178
構造:R.C.造3階 地下1階
設計:森山伊望
施工者:宮内建築事務所
建築年代:昭和4年

木々に囲まれて全体を見渡せないほどです。
  

正門からポーチへのアプローチ。
 

尖塔型の大きなアーチ窓。    
まだ木製の窓枠が使われています。



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