地蔵王廟

根岸の競馬スタンドの裏に位置する、大芝台という住宅街の中に、この地蔵王廟はあります。
長手積みで積み上げられた煉瓦の色の濃淡が実に良い表情です。

明治25年の建造という、横浜では2番目に古い近代建築物としての価値が評価され、
横浜市の指定文化財になっています。
昭和9年の改修など、幾度かの手直しはあったものの、これだけ良いコンディションで保存されているのは
祖先を尊び、歴史を重んずる在日中国人の方々の支えがあったからこそと思います。

なお、地蔵王廟は中国人墓地の一施設であり、故人を偲んで人が集う場所です。
散歩がてらの見物は認められていませんが、事前に同敷地の管理事務所で許可をとれば、
一般者でも廟の見学と参拝をすることができます。(仁木)


Data
所在地:横浜市中区大芝台7
構造:煉瓦造1階
設計:
施工者:
建築年代:明治25年
備考:横浜市指定文化財

賽銭箱の奥に見える扉は神門であり開かれることはありません。
扉を迂回して奥へ進むと、地蔵王を拝観することができます。 
 
 


 
 



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