フェリス女学院10号館
(旧ライジングサン石油会社社宅)

フェリス女学院大学10号館は、「10人の速記者のためのフラット」として設計された、
そもそもはライジングサン石油会社の社宅として建てられたものです。
外観はシンプル・スマートなインターナショナルスタイル。実に整然としております。
内部は4戸分に仕切られており、両端の2戸は1階にベッドルームが3室、他の2戸は2室、
あとは各戸に共通して、1階に納戸とバスルームが1室、
2階には、リビング、キッチン、ダイニングがそれぞれ1室という構成。

根岸にも同社の住宅群が建設されましたが、
あちらは連棟式ではないものの、同時期・同様のデザインであり、
こちらの建物にもフォイエルシュタインやスワガーが関わった可能性があるものと思われます。

現在は大学の研究室として使用されておりますが、
横浜におけるレーモンド作品の中でも最重要建築であるばかりでなく、
神奈川には少ない戦前のインターナショナルスタイルの好例として、
今後も残って欲しい建築です。(仁木)

Data
所在地:横浜市中区山手町38
構造:R.C.2階
設計:アントニン・レーモンド
施工:清水組
建築年代:昭和4年
備考:


 
 

根岸住宅にも見られるリビングのボウ・ウィンドウ。



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