横浜検疫所長浜措置場1号停留所

国外からの恐ろしい伝染病の侵入を防ぐため、いくつかの主要港の近くに設置された検疫施設で、
この横浜検疫所の当初の建物棟数は40以上を数えたといわれています。
設計監督嘱託であった河合政市のもと明治28年3月に竣工しましたが、
関東大震災によりそのほとんどが倒壊、まもなく復旧したとのことです。
この際、どの建物が被害を受けたのか、また、その被害はどの程度のものだったのか、
その詳細はわかっておらず、しかし今のところは「大正13年の再建」とするのが正しい見方のようです。
これら施設群は昭和の半ばにその役割を終えましたが、市民運動によって野口英世博士ゆかりの細菌検査室の保存が決定、
昭和63年の県の調査時には、その他にも10数棟の建物が残っていたようですが、
最終的には、この1号停留所と細菌検査室が残り、木造2階の事務棟が長浜ホールの名称で復原となりました。(仁木)

Data
所在地:横浜市金沢区長浜107-8
構造:木造1階
設計:河合政市
施工:大林組
建築年代:大正13年(明治28年)
備考:

建物全体の写真を収められませんでしたが、コの字型のプランです。

 

左ドアの各室が、渡航者を宿泊させるための部屋。
 


渡航者の談話室のような場所。



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