O邸

戦前の横浜を代表する建築事務所として、県内外で数多くの建築物の施工を手掛けた、
宮内建築事務所の施工、同事務所所長の宮内初太郎の設計により建てられた住宅です。
写真には写っていませんが、1階に2つ並んだベイ・ウインドウが外観上のポイントです。
その他、寄棟型の屋根と鎧戸のついた縦長窓という、極めてオーソドックスな洋館ですが、
設計者が判明している洋風住宅は市内では珍しいということで、平成10年度の横浜市歴史的建造物に認定され、
外壁や屋根などを補修し、必要な保全の措置がなされています。
入口には鉄平石貼りの門柱があります。これは、同年に宮内事務所の施工によって建てられた、
フェリス女学院中高等部校舎の外壁に貼られた鉄平石とおそらく同じものでしょう。(仁木)

Data
所在地:横浜市中区
構造:木造2階
設計:宮内初太郎
施工:宮内建築事務所
建築年代:昭和4年
備考:横浜市認定歴史的建造物

表通りに側に、やはり宮内初太郎による、同タイプの洋館が建って
いたそうですが、残念ながら、すでに取り壊しになっています。 



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