帝蚕倉庫本社事務所
(旧横浜生糸検査所倉庫事務所)

「キーケン」の名で当時のハマっ子に親しまれていた、横浜生糸検査所の倉庫事務所として建てられたものです。
一方、現在この建物を所有する帝蚕倉庫株式会社は、大正9年〜10年の生糸恐慌時の救済機関として設立された、
第2次帝国蚕糸株式会社を前身とする、長い歴史を誇る企業です。

壁面の凹部はコンクリート地そのままに、そして凸部の柱部分だけに煉瓦風のタイルを貼り、
この両者のリズミカルなコントラストが、特徴的な表情を建物に与えています。
設計は、日本初のR.C.造ビルとされる、三井物産横浜ビルを産み落とした遠藤於菟によるもので、
この建物を含むキーケンの一大施設は、彼の晩年の代表作であります。(仁木)

Data
所在地:横浜市中区北仲通5-57
構造:R.C.3階
設計:遠藤於菟
施工:大林組
建築年代:大正15年
備考:


 

「角」のデザインの中にさり気ない円柱が気に入ってます。



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