旧猿島砲台電気灯機関舎

東京湾唯一の自然島・猿島へは、横須賀の三笠公園脇にある三笠桟橋から、連絡船で10分ほどで到着します。
幕末から第二次大戦終了までの約100年に渡り、東京湾防備のための要塞として砲台が備えられ、
長く一般人の立ち入りが禁じられていました。
現在では、釣り・バーベキュー・海水浴と、土日や夏休みになれば多くの人で賑わいますが、
一歩島の中へ足を踏み入れれば、数多くの戦争遺跡が今も生々しく残っています。

その島内への登り口のあたり、外壁にツタが絡まった古い建物があります。
現在は発電室として使われていますが、もとは猿島砲台の電気灯機関舎として建てられたものです。
全体がモルタル塗りで覆われていますが、アーチ形の窓や、
軒のあたりが段状になっている点からも煉瓦造建物ということがわかります。

Data
所在地:横須賀市猿島
構造:煉瓦造1階
設計:旧陸軍省?
施工:
建築年代:明治28年
備考:

 

島内で特に目をひくのが、煉瓦で組まれた数々のトンネルや弾薬庫。
芸術的ともいえる、フランス積みが織り成す紋様は、
訪れた観光客の歩を暫し止めさせるほどの見事さです。



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